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2013年12月の記事は以下のとおりです。

巨星墜つ! 南アフリカ元大統領ネルソン・マンデラ氏死去

  • 2013/12/10 15:15

 読売新聞12月6日夕刊は、「アパルトヘイト(人種隔離政策)を撤廃に導き、ノーベル平和賞を受賞した南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領が5日午後8時50分(日本時間6日午前3時50分)頃、ヨハネスブルグ近郊の自宅で死去した。95歳だった。」と報じた。そしてその記事の最後に「まさに巨星墜(お)つ。だが、マンデラ氏の95年の人生が、暗黒大陸と呼ばれたアフリカの未来に、誇りと一筋の光をもたらしたことは疑いようもない。」とも書いている。
 私にマンデラ氏を評する資格などないことは重々承知している。しかし今の時代、世界の至る所での内戦、東アジアにおける国と国の敵対関係、私たちの身近で日々当たり前のように起こる犯罪など、そこには怒りと敵意と恨みと報復と復讐が満ち溢れている。残念なことに、怒りに満ち溢れていたであろうマンデラ氏が27年間の獄中生活から掴み取っていた「善意」、「赦し」そして「融和」の心は、いまの世界に全く欠け落ちていると言っても過言ではない。そのことだけを心に刻みたいと思ってこのブログを書いている。
 私はスポーツが好きだ。マンデラ氏も好きだった。そして彼は、2枚目の写真の記事にあるように、1995年に南アフリカ共和国で開催された初めてのラグビーワールドカップを開催国南アフリカの優勝という、それ以上ないという劇的な形で成功させた。その有様は、クリント・イーストウッド監督による映画「インビクタス/負けざる者たち」(2009年作)に十分に表現されていて、ハラハラドキドキしながら観た覚えがある(http://www.unique-runner.com/blog/index.php/view/117 )。
 このアフリカ大会については、2枚目の写真の記事にも書かれているように、ほとんど白人選手で構成されていた自国のチームをそれまでは決して応援することのなかった大多数の黒人を引っ張るように、彼は自らチームのユニフォームを着て先頭に立って応援したのである。それが抑圧の限りを尽くしてきた征服者の白人に対する赦しと融和の始まりであった。私はそんなマンデラ氏の姿を映画で見てただただ感激した。そして、その後の人種間の融和に向けて「真実と和解委員会」と言うこれまで考えられなかった和解の道に進んだのである。
 こんな人を我が国にも、あるいは隣人にも、そして近隣諸国の人たちにも欲しいものである。私の考え方からすれば、我が国はかっての太平洋戦争とそれに至るまでの様々な愚行をもって我が国の人々に対するだけでなく近隣諸国の人々を果てしなく苦しめてきた。しかし、それに対する反省から、その反省の度合いは低いと非難はされつつも、戦後の68年間平和国家として機能し、他国の人間を軍隊ではないとはいうものの自衛隊は決して殺してはこなかった。それは何物にも代えがたい重要な結果である。
 そんな日本に対してかって蹂躙され植民地化された隣国の目は相変わらず冷たい。国家間の条約と莫大な賠償金代わりの援助金を介してすでに国家間での和解は済んでいるはずにもかかわらず、相変わらず強烈な反日教育を繰り返しながらまっとうな話し合いに入ろうとはしない。それは何のためかははっきりしないが、国内引き締めのためのカードに使おうとしているとしか考えられない。
 このような立場をとる隣国の首脳のひとりは“被害者の恨みは1000年は続く”と豪語する。それこそ何のためであろうか。そんな言葉に対して日本側では蒙古襲来のことを持ち出す人もいるのである。そのような立場をとる限り、例えば緊張関係がある場合には少しも事態は改善されず、危険極まりない偶発的な事件の発生が心配される。些細な偶発的な、あるいはそのように見せかけた事件から大規模な戦闘に発展してきたのは歴史的事実である。そんな大事件に発展してしまうのは、上に述べた「怒りと敵意と恨みと報復と復讐」のみを背負って行動するからに他ならない。そんな指導者たちは、我が国にはかっての戦争を反省しない指導者が沢山いるからだと常々主張する。しかしそうは言いつつ彼らが現実に敵対しているのは、日本という国とそこに住む1億の人々に対してであることを忘れてほしくない。そんな行動はまた新たな「怒りと敵意と恨みと報復と復讐」を我々の側に生じさせるだけであり、その不幸な拡大再生産を繰り返すことを忘れてはならない。
 これまでもこれからも、不幸な国家間の、あるいは個人の間の敵対関係、あるいは戦争や喧嘩は上に述べたような「不幸な拡大再生産」の結果である。ここ数年前から頻発している新たな領土問題をめぐる挑発、あるいは日本の上空を横断して発射されたロケット実験による挑発、それらはことごとく現在の日本で見られるような積極的平和主義を唱える政権の誕生、その結果としての軍備強化、秘密保護法、日本版NSCなどの方向への動きにつながっている。また国内的には、悲惨な犯罪の増加が刑法をさらに懲罰的な方向に強めることにつながってしまっている。それはきわめて分かりやすいことである。この意味から言うならば、かっての民主党政権の政策は、その方向において間違ってはいなかったといえる。そのこともあって私は何度もこのブログで民主党政権に応援するような文章を書いたことを覚えている。
 その悪循環にくさびを打ち込むためには、特に指導的立場にある人たちが「善意」、「赦し」そして「融和」の精神で長年にわたる不幸な人種間の憎しみを乗り切れることを証明したネルソン・マンデラ氏に学ぶしかないのでないかと思われる。そんな信じられないほど大きな彼の追悼式には世界中から100名を超える首脳が集まったと報じられた。全く考えられない“巨星”墜つであった。

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