戦後70年、2つの対照的な出来事に思う
- 2015/04/22 11:00
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私の父方の叔父は、昭和19年米軍の猛攻にさらされたサイパンで玉砕したと知らされている。だから、“バンザイクリーフ”のことも早くから知っていた。それもあってそのサイパンには子供の頃から何か思い入れがあり、その地に両陛下が「慰霊の旅」を行ったのは戦後60年の節目であり、私にも強い印象を与えた。その時にも企画されながら訪問できなかったパラオへの「慰霊の旅」が戦後70年の節目の今年に実現された。これらの「慰霊の旅」は、あの戦争で亡くなった方々への両陛下の真摯な祈りであろうと確信している(1枚目の写真)。
私にとってパラオのペリリュー島はもともと全く知らない名前の島だった。かし、2007年頃からNHKが行っていた兵士たちによる膨大な「証言記録」の映像を録画していたが、そのことを知ったある方から「ペリリュー島 終わりなき持久戦」を収録したDVDを見せてほしいとの依頼を受け、
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陛下はまた、しばしば「憲法を守ることが大切」と述べており、護憲意識は高い。さらに、それと関連があるかどうかは分からないが、昭和天皇も現在の天皇陛下もA級戦犯を合祀している靖国神社には一度たりとも参拝はしていない。このような象徴天皇の姿勢に明らかに背を向けて立ちはだかるのが自公政権であることは間違いない。天皇陛下がパラオに出かけられる際の出発式でも、安倍首相を面前にして、「このような戦争は二度と起こしてならない」旨の言葉を述べられていた。私は、まるでその言葉は安倍首相に向けて発せられたように聞こえた。
4月12日の読売新聞日曜版には、私も3年前に訪れた鹿児島・知覧の「知覧特攻平和会館」に残されているある特攻隊員の言葉に加えて、
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しかし現在の自公政権ははたしてその道を歩んでいるのだろうか。むしろ日米豪の同盟強化にまい進して、特に米国の世界戦略の一つの歯車として世界の隅々にまで自衛隊を送ることを目指しているように見える。特に自民党はその考えが顕著である。しかしそのような方向性を持つと思われる自民党は、先の統一地方選挙前半戦においても圧勝している(4枚目の写真)。
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その自民党の党首である安倍首相は、いま問題になっている「戦後70年談話」において「侵略」という言葉を使いたくないようである。そのことについて読売新聞は今日の社説で「首相は『侵略』を避けたいのか」と問うている(5枚目の写真)。そしてその社説は、「政治は、自己満足の産物であってはならない」と述べ、「70年談話はもはや、首相ひとりのものではない。日本全体の立場を代表するものとして、国内外で受け止められている。首相は、談話内容について、多くの人の意見に謙虚に耳を傾け、大局的な見地から賢明な選択をすることが求められよう。」と締めくくられている。
著名な小説家である村上春樹氏も、戦争被害国への謝罪について、「相手国から『十分に謝ったのだからもういいよ』と言われるまで、謝り続けるしかないのではないか」旨の意見を述べている(http://blog.esuteru.com/archives/8140126.html )。私も同感である。
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およそ2年前、安倍首相の靖国神社参拝を契機に一気に中国・韓国との関係が悪化した。そしてその影響は経済界を含め一般国民がこうむったのである。一体誰のための政治なのであろうか?今年も106人の超党派国会議員が靖国神社に参拝したと聞く。こんな政治家を選んだのは、そして現在の自公政権を選んだのはいったい誰であろうか?