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2016年06月の記事は以下のとおりです。

「首相『すごい記録、日本人として誇りに思う』」?

  • 2016/06/24 15:02

タイトルは1枚目のネット記事の写真の見出しから取ったものである。では安倍首相は何を誇りと思ったかと言えば、それは2枚目の写真のように米大リーグ、マイアミ・マーリンズに所属するイチロー・スズキ選手の記録のことである(読売新聞、6月16日夕)。その記録とは、日本時間6月16日に日米通算で4257本目のヒットを放ち、ピート・ローズ選手の記録を上回ったことを指している。
 走攻守に傑出した能力を持つイチロー選手は、これまで日本のプロ野球時代や大リーグに移ってからも数々の記録を作ってきたことはもちろんで、野球好きの私がそれを知らないはずはない。しかし、私がこれまでそれらについて何のコメントも発してこなかったが、それには私なりの理由があった。それは彼のマスコミを通じて流れてくる発言の分かりにくさである。私の知るところでは、彼はファンに対して彼自身の思いを分かりやすく伝えるということが残念ながらあまりない。もちろん、わかりやすく自分自身を表現することは生易しいことではないことはよくわかるが、それを克服するためにも重ね重ねの努力が求められるように思っている。その一方で、テレビのCMで彼の姿を見ることの方が積極的に彼がファンにメッセージを送る姿よりははるかに多いように思う。プロの選手にとってファンはかけがえのない存在のはずであり、最近コミュニケーションの面でそれなりの改善がみられるように思うが、それでも更なる改善を期待したい。だからと言って、彼の達成してきた数々の記録が色あせるというつもりはない。
 実はこのブログの目的は別にある。それは1枚目の写真にある。私はかってプロテニス選手・錦織の試合でなぜあれほどの日の丸が振られるのかと書いたことと関係がある(http://www.unique-runner.com/blog/index.php/view/244 )。国が全く関係していないテニスの試合で、日の丸が出てくるのと安倍首相のコメントは根が同じである。そこに私は強いナショナリズムを感じてしまうのである。かって我が国が犯してしまった戦争も、その背後にナショナリズムを配置しながら遂行されてしまったのではなかったか。安倍政権になってから特に強いナショナリズムを振りかざす場面が多くなっていると感じるのである。もちろん上の首相談話は、記者に感想を求められたから気楽に答えたのだろう。だが、私にしてみればどの国の選手であるかどうかは別にして、“素晴らしい記録”とたたえてもらいたいのである。そうでなければ他国の選手の素晴らしい記録を素直にたたえることができなくなってしまう。スポーツとはどこにも垣根がないものであってほしいものである。だから私はどんなスポーツも好きである。
 昨日は沖縄の「慰霊の日」であった。6月23日は沖縄での組織的戦闘が終結した日で、県民の4人に1人が犠牲になったとされる。私も「平和の礎」(へいわのいしじ)を訪れたことがある。断崖絶壁の海に向かって作られており、犠牲者の名を記した石碑が数えきれないほど整然と並べられており、何とも言えないおもぐるしい感慨を感じた。沖縄戦ではナショナリズムの高揚だけではなく、日本軍による県民への戦闘の強要が大きな犠牲をもたらしたことが強く非難されなければならない。それから71年たっても米兵や軍属による沖縄県民への暴行・殺人などはなくならない。日米同盟の強化を声高に叫びながらも県民の願いである日米地位協定の改定に正面から立ち向かえない歴代自民党政権や安倍政権の弱腰は、日本の政治が沖縄県民のためになっていないことを如実に示している(「日米地位協定」、Wikipedia参照)。
 だから、安倍首相はそのようなナショナリズム丸出しのコメントを発することはやめて、資本主義社会の断末魔の叫びである社会内部での収奪による格差拡大(3枚目の写真、読売新聞6月18日朝)を止めることに知恵を出してはどうだろうか。ゼロパーセント成長のどこが悪いのだろうか?
 さきほど、英国のEUからの離脱が国民投票で決定された。英国をはじめとする多くの国々は、過去の植民地政策(帝国主義的政策)の延長線上に起こっているアフリカ・中近東における国家の崩壊・移民(難民)発生のあおりを受けて混乱の渦中にある。このあたりで、地球上に収奪の場がもはやなくなったことを自覚して、0%成長下での富の再分配の答えを探してみてはどうだろうか。その答えを出すに最も適した国は日本だと水野和夫氏は言う(「資本主義の終焉と歴史の危機」集英社新書、2014)。これと同様の流れは、米国・民主党大統領候補の一人サンダース氏の主張に見られ、大きな反響を呼んでいる。
追記:スイスで成人国民に月額約28万円を給付する「ベーシックインカム」制度についての国民投票(Wikipedia)が6月5日に行われ、否決されたが大きな注目を集めたことをいま思い出した。また経済学者の金子勝氏の「【つくられた貧困】東京が若者をブラックホールのように吸い込んだ結果が悪循環に」と称する興味深い記事を西日本新聞が配信している(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160630-00010002-nishinp-soci&p=1 )。(2016/6/30)

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