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2012年05月24日の記事は以下のとおりです。

日本中が空を見上げた5月21日早朝の大天体ショー“金環日食”

  • 2012/05/24 17:14

 ほとんどダメだろうとみんなが諦めていた金環日食。朝目を覚ましてみれば明るい陽光が窓の外を照らしていた。ここに掲載する写真を撮影した友人からは早々に“金環日食をお楽しみください”とのメールが携帯に届いていた。
 25年前にも金環日食があったようであるが、それを見たかどうかは定かではない。もちろん、今回のように日本の南岸沿いの広範囲で金環日食が、そしてほとんど全国で部分日食が見られるのはなんと932年ぶり、いまさまざまな評価のある大河ドラマ「平清盛」の平氏と源氏が争っていた時代以来だという。そう考えるとたしかに“世紀の天体ショー”というにふさわしい。昨年は1000‐1200年ぶりと言われた巨大な地震・津波に襲われ、今回はそれとは対極の明るい出来事と、何か騒がしい昨今ではある。
 日食を観察するメガネ(フィルム)は、天気予報が芳しくないこともあって買うつもりはなかったが、たまたま親切な友人がひとつ下さっていたので幸い無くて困ることはなかった。7時前にマンションの廊下に出てみるとそこから日食を観察することができ、既に大きく欠け始めていた。暫くしてまた外に出てみると多くのマンションの住人がおしゃべりしながら日食の進行を眺めていたので、私たちもそこに加わって楽しむことにした。
 薄いサバ雲のような雲がかなり速く流れていたが観察に邪魔になるような感じではなかった。私が持っていた観察メガネはかなり強い光の遮蔽効果のあるもので、それで見る太陽は強く赤みがかっていた。その場にはいろいろな観察道具を持っている人たちがいて、穴の開いたお玉やピンホールカメラのようなものを作られた方もいて、皆さんが意外にもいろいろと工夫されていたのには驚かされた。やはり932年ぶりというふれこみが大きかったのだろう。私は簡易メガネを代わる代わる見せていただいたが、近くの小学校が子供たちに配ったものは私のものに比べてもっと明るく、太陽が白くくっきりと見えてびっくりした。
 徐々に金環日食に近づいてくるとだんだんと暗くなり、明らかにうすら寒くなってきた。聞くところによると急速に2℃も気温が下がったところもあったようで、太陽光の威力を感じさせた。当然のことだが、それまで無かった風が急に吹き始め、最近竜巻や雷雨などのことで強く警戒させている寒気の流入のような雰囲気になった。
 そんなこととは無関係に日食は進み、7時28分過ぎにはほぼ金環日食になった。写真は、ワンクリックで拡大してご覧いただきたいが、左上から右に向かって時間の進行とともに日食の進行の様子を表している(各写真の左上には時刻が時・分・秒の順に表わされている)。二段目4枚がほぼ金環日食状態であるが、和歌山県・串本の辺りのように完全な円の金環ではないこと、その時点で少し雲がかかったこと、また驚くような高感度のカメラではない普通の小さなデジカメで、しかも強い光遮蔽効果のフィルムで遮光しての撮影であったこともあってきれいな金環日食の形にはならなかったのはやむを得なかった。
 それはともかく、私たちは自分の目できれいな金環日食を見て楽しむことができ、ダイナミックな天体の動きを感じることができたのは幸いであった。また、太陽の正確な直径などはいまだよくわかっていないなど、思いがけないことを知らされて驚いた。そんなことも含め、本当に小さなデジカメで見事な写真を撮ってくれた畑野勝義氏に感謝し、ここに932年ぶりの天体ショーをささやかに記録しておこうと思う。
 なお、来る6月6日には太陽面を金星が通過する珍しい現象が観察できるようなので、今回使った観察メガネを捨てずに保存しておきたいものである。

追記:上に記したように6月6日早朝から午後にかけて金星が太陽面を通過する珍しい現象が起きた。今回は金環日食よりはるかに難しい写真撮影であったが、畑野氏はまたまた小さなデジカメで撮影してくださった。写真を2枚だけ公開する。

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