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2019年10月08日の記事は以下のとおりです。

災害列島日本、思い切った策がなければ日本は自然災害で沈没する(1)

  • 2019/10/08 12:13

 昔からではあるが、特にここ数年台風、豪雨、地震、火山噴火などなどで災害報道が後を絶たない。ここ関東では巨大地震の可能性も大きく、日常的にも避難訓練などの報道が絶え間なく行われ、その報道が毎日のように行われていてそれを聞いている我々は気もそぞろである。そんな気分をさらにかきたてるような事態が9月9日の未明に台風15号によって引き起こされた。

 その台風による暴風雨はかって第二室戸台風や伊勢湾台風を経験した私でもここ20年以上も感じたことのない激しいもので、私自身は現在洪水が起こるような地域に住んでいないとはいえ、その風の強さは恐ろしさを感じるほどでもあった。特に今回の暴風による被害は主として千葉県に集中し、千葉市内で最大瞬間風速57.5メートルを記録し、上陸した台風としては過去最強クラスとなった(1枚目の写真)。確かに暖かい海水温からエネルギーを供給されて東京湾を北上し千葉県に上陸した台風15号は、茨城県水戸市で午前9時になっても965ヘクトパスカルを維持していたといわれる。
 9月20日現在の千葉県の家屋被害は10,115棟に達し、まだ集計不十分のところもありまだ増加する見込みという。また千葉県の大規模停電では9月20日現在で9600軒となって1万軒を下回ったという(2枚目の写真、9月21日読売新聞)。これは高圧線レベルの停電のことを言い、家庭レベルでの停電は多分これよりはるかに多いのだと思われる。ここに集計された被害はいずれも殆どが暴風による被害で、今回の台風の特徴がよく出ていると思われる。
 私が気にしているのは停電にしろ家屋被害(屋根瓦の落下や破損、外壁破壊、家屋の傾きなど)にしろ、これらの修理がすぐに手をつけられていないということである。その理由は様々であろうが、停電に絡んでは万の単位の電柱が倒壊したようで、停電の回復は電線をつなぎ合わせればよいというような簡単なものではなく、むしろ倒れた、もしくは折れた電柱の撤去や新しい電柱の補充など、我々の感覚で言えば建築・工事業者が扱わなければならないような工事を含んだ復旧工事が停電復旧のカギを握っているようである。
 また家屋の損壊復旧のカギを握るのは屋根の修復からのようで、それは高所作業を伴い、一時的なブルーシート張りによる雨漏り防止にしてもそう簡単に素人が、特に高齢化した住民が行えるものでもない。要するに専門の職人が必要になるのである。さらに問題は、このような強烈な台風による広範囲の被害を的確に把握するシステムと経験が自治体組織に十分ではなく、今回の被害把握でも多くのミスがあったことが報道されていた。

 ここで少し話題を変えて、昨年大阪北部(茨木、高槻市らが中心)を襲った地震の時のことを考えてみたい。実は、私は長年高槻に住んでいた関係で友人も多く情報が得やすいからである。その地震は2018年6月18日に起こり、最大震度6弱の強い揺れを引き起こした。あるウェブサイト(https://www.asahi.com/articles/ASLDF4WJVLDFPPTB00R.html )によれば、大阪、京都、奈良、兵庫の4府県で住宅被害は58,322棟に及んだという。私はこの地震の5か月後に高槻を訪れたが、友人の家を含めてあちらこちらの民家の屋根がブルーシートで覆われていた。友人の家のそのブルーシートがとれたのは、つまり屋根瓦などの修復が完了したのは地震発生から1年後だったということである。修理する専門家が足りないと言われて修理してもらえなかった友人の嘆きは大きかった。高槻と言えば大阪と京都の真ん中にあり、巨大な関西経済圏の中核に位置しているのである。そんな位置にある民家の屋根の修復が1年も待たないと行われない、修復を行う専門の人員が決定的に不足しているのである。東京オリンピック2020が控えていてそれに専門家がとられているというのは誤魔化しであろう。たとえそうであっても、そんなことで復旧が大幅に遅延するのであれば、それが日本の現実の力のなさを表すだけである。
 つまり、これと同様のことが近年の台風や豪雨被害の度に繰り返され、再建が間に合わずにその場を、あるいは故郷を離れる多くの方々がおられるのであろう。今回の千葉県の台風被害の停電問題が毎日繰り返し報道されていたが、当初はその週末には停電は解消されると東京電力は発表しながら9月末になってもなお数百軒の停電が持続しているのである。このことは被害把握の困難さと停電回復に当たる専門職の人員不足が大きく影を落としているのであろう。

 最近は台風や地震の被害が発生するたびに、復旧復興のための人が足りないと言われて久しい。人口減少が着々と進行し、高齢化が着々と進み、平日外に出ても歩いているのは年寄りばかりという現実が進行している。2枚目の写真には、政府は今回の台風で大きな被害を受けた地域に対しては激甚災害に指定する方針を固めたとされるが、当然であろう。しかし、地球温暖化に伴って異常気象(もはやい異常気象ではないが・・・)に起因すると考えられる災害が頻発することが顕著になってきた現在、災害が起こってから激甚災害にしている流れでは国土の破壊に伴う人心の疲弊は防ぎようがないと知るべきであろう。田舎育ちの私には山の荒廃はよく分かる。そんな私とて名案があるはずもないが、一度国土と人心の破壊を止めるための専門職の配置を考え直すべきではないかと思う。これこそ働き方改革の中心に据えるべきことかもしれない。
 私たちが若いころ重要だと学んだ第一次産業(農業・林業・水産業など)のことを少し調べてみると、そこに従事する人の数は現在人口のわずか10%に満たないという。ここに国土の破壊と台風などによる災害の頻発が関連しているのは間違いない。また第二次産業とは鉱工業・製造業・建設業のことを言うが、現在は人口の30-40%が従事しているという。ここに私が問題にしている家屋の修復や発電・送電などが関係していると思われる。特に第一次産業の崩壊は政府の無策に関係していると確信するが、これを思い切って再構築することが急務であろう。そしてそれに従事する人たちに災害復興に必要な技術を獲得できるようにする政策を並立させ、そのような人材を全国に配置し、災害時には全国に動員できるようにするのである。リニア中央新幹線に10兆円の経費を予定しているのであれば、その何倍使っても国民は納得するはずである。

 近年頻発する災害、その度にボランティアに依存し、激甚災害指定を繰り返す、こんな安易なことを繰り返していれば、かって小松左京氏が書いた小説「日本沈没」が別の形で引き起こされ、急速に国力低下をきたし、国際的にもなんの力もない国になることは間違いないであろう。それを一時的にも避けようとして巨大な国際的なイベント、例えばサッカーW杯、ラグビーW杯、大阪万博を次々と誘致し巨費を投じている。きっとその度毎に災害が起こればブルーシートが増え続け、それが何年たとうと消えない街となり、若者も高齢者も明るい未来を見ることもできずにぼーと暮らすしかない日本になるのであろう。そんな国になってもらいたくはない!こんなことを書いている自分も見たくはない。
 この週末には現在900ヘクトパスカルまで巨大化した台風19号がまた日本を襲う。毎週である。地球温暖化の影響であろう、今後このような台風や豪雨被害が連発することは間違いなさそうである。
 写真はクリックで拡大してご覧ください。

追伸:もし台風15号がわずか西側にずれ三浦半島の西側をとっていたら、大和市や町田市、そして東京都東部は大きな被害をこおむっていたと考えられます。

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