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2019年10月11日の記事は以下のとおりです。

日韓の醜い対立、でも、本当の問題点はどこにあるのかよく分からない

  • 2019/10/11 23:34

 日本と韓国の間には、日本が朝鮮半島を統治していた時代に引き起こした太平洋戦争に起因する徴用工問題や従軍慰安婦問題がある。また、日本が降伏し、サンフランシスコ条約が締結されて韓国独立が認められた1951年の2年後に李承晩韓国大統領は、突然半島を取り巻く海域に”李承晩ライン”と呼ばれる一方的な線を引き、竹島を独島として自国領としたことから、この問題がそれ以降大きな問題となってしまった。このサンフランシスコ条約に違反する李承晩ライン、また1965年に結ばれた日韓請求権協定(「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定」)、さらに記憶にも新しい2015年に合意された慰安婦問題日韓合意などがことごとく一方的に韓国側に破棄され、日韓間の信頼関係が極度に失われ、日韓間の関係が不可逆的な方向、つまり破壊に向かいつつあるように見える。

 この解決のため、としか言いようがないが、日本政府がとった行動について日本経済新聞と"hunade"と称する二つのウェブサイトを参考にして、自らに理解しやすいことを心掛けながら、しかし簡潔に以下に書いてみたい。

二つの政策を簡単に言えば、
 (1)一つ目の日本政府の行動は、半導体や軍需物資の製造や使い方によっては大量破壊兵器などの製造に使われる可能性のある原材料である3つ、「フッ化水素」、「フッ化ポリイミド」と「レジスト」の輸出手続きを厳格化する。
 (2)二つ目は、上にも書いたように使い方によっては危険な原材料{技術も含む)、さらに特殊な金属や工作機械などの輸出についてこれまで手続きを優遇していた国(これをホワイト国という)から韓国を外す。

 今回の以上二つの政策を打ち出すに至った原因と根拠は何か、というのが私たちがこの政策を理解するときに一番大切なことである。もっともありそうなことは、ここしばらく前から日韓請求権協定に反するとして激しく日本政府が反発している徴用工問題に起因すると考えられる。しかし、そうではないと経済産業省はたびたび反発している。つまりは単純な二国間の政治的な問題に対する報復の一環としての政策で自由貿易を損なうものではないと主張している。それではいったい何が引き金を引いているのか。
 これについて経済産業省や政府はきわめて具体的に問題点を明確にすることを避けながらも、日韓の信頼関係が著しく損なわれたと言わざるを得ない状況、あるいは別の言葉で、輸出管理に信頼関係を持って取り組むことが困難になっていると述べている。また、韓国に輸出された物品の管理をめぐり不適切な”事案”が発生しているとも述べている。
 それはどのような”事案”であるのか。日本が信頼関係の下に輸出手続きを簡易にして優遇しているということは、たとえば日本から輸出された物品が、それにかかわる技術的問題も含めて、日本が推測していないエンドユーザーに渡っている、あるいは予想外の目的に利用されるようなことがあったのかなどと、私は推測する。そんなエンドユーザーが韓国外のたとえば北朝鮮であったらどうだろうか。それを北朝鮮と名指しすることができるであろうか。
 現在日本と北朝鮮との間の関係は良くはない。平和条約はもちろん結ばれてはおらず、当然日本が植民地化していた時の賠償は行われておらず国交も回復されてはいない。ましてや、北朝鮮が行った拉致問題が未解決で、考えようによっては人質を取られていると考えることができる。つまりは北朝鮮が絡んだ問題は外交政策上非常に難しい対応が求められることは想像に難くない。でも、拉致問題もすでに世界の世論で白日のものとなっているのである。いや、まったく違う話なのかもしれない。それが分からない。
 ここに書いたのは私の推測でしかない。現在の日韓の状態はマスメディアを含んで双方の言い合いになっており、その言い分には感心できない発言が数多くあるようである。それを止めるまたは改善することが醜い日韓間の対立を少しでも和らげることにつながると思われる。もちろん、両国の国民が単純なナショナリズムに基づく発言を検証しなおすための勉強が必要だと思われる。しかしそれ以上に、日本政府が韓国に対して今回のような厳しい政策をとった理由をもっと明快に、外交問題の厳しさがあろうとももう少し踏み込んで我々国民に、そして世界の世論に明らかにすべきと思われる。そうしなければ我々は自国の政策を真に理解できず、またこの議論がWTOを含めた公の席での議論になったときに、必ずしも相手を圧倒することは難しいと感じる。私がここに推測で書いたことが的を得ているかどうかは明らかではない。このような曖昧さが、もしも根拠のない集団によるヘイトスピーチのようなものにつながるとしたら悲劇である。

 なお、写真の説明をしておくと、1枚目は分かりやすいように日韓の国旗、2枚目は戦後の日韓の間の問題を作り出した李承晩ラインの分かりやすい図を外務省のウェブサイトから引用した。

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