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開いた口がふさがらない天理大学柔道部の怪と2020年のオリンピック

  • 2013/09/07 11:39

 よくもまあこんなことが繰り返し起こるものだと、まったく開いた口がふさがらない。日本のスポーツ界にいじめ、体罰、暴力、みせしめなどなどが昔から絶え間なく起こされてきていることは、この1年でいやというほど報道され続けてきたし、私も書いた。私が書いたとて無くなるなんてことは100%考えていないが、日本中の新聞が書きたててきても、やはり駄目なのである。写真は今月9月4日の読売新聞朝刊の一面で、見出しだけで十分にその内容をうかがうことができるであろう。
 こんなことがたびたび報道されるようでは国内はもちろん国外における日本の教育制度の評判に関わることになるのを恐れてか、文科省はこの手の話の鎮静化に躍起になってきた。それなりの調査もして体罰がどの程度起こってきたかの数字も公開され、その多さに少なからず驚いたが(その数字は忘れた)、高校野球界のこの手の問題を昔から気にし続けている私などには実はもっともっとあるだろうと感じている。ことを有名にした全日本柔道連盟が係る不祥事(女子選手への脅し、暴力セクハラや不明朗な金銭の授受などなど)については、あまりに動かない全柔連の上村体制に業を煮やした文科省が、まあ絶縁状と思われる要求を突き付け、やっと交代が実現したばかりであった。
 私が驚くことは二つある。ひとつは柔道部学生の考える力のなさであり、大学上層部の鈍感さとマヒした時代感覚である。今回の4年生による1年生部員に対する暴力事件は4月あたりから続いていたようであるが、そのときはまさに全柔連に対する非難ごうごうの時であった。そんな時に学生たちは何を感じていたのであろうか?ひょっとして、非難は全柔連の上層部や指導者に向けられているのであって、下っ端の自分たちは被害者なんだと我関せずの立場だったのではなかろうか。運動部の学生はそこまで馬鹿なのか、と驚くばかりである。天理大学柔道部は全国的にトップクラスの実績を持つクラブである。有名私立大学の運動部員の多くが推薦入学で入ってきていることを知っている私は、大学の運動クラブの部員たちは
世の中の動きに全く疎く、思考能力のない学生集団になっているのではないかと思わざるを得ない。
 一方で天理大学の柔道部部長や大学上層部の鈍感さと察知能力のなさにも驚かされる。今回の問題を知った部長は、それでもそれを公にせず、新しい全柔連の理事に就任したとの報道を聞いてあきれてものが言えない。学生が学生なら部長も部長、そして大学も大学である。その柔道部の主将が先日の世界選手権73キロ級で金メダルはめでたい話かもしれないが、今回の暴力行為の不作為という片棒を担いでいたとすれば、非難されても当然であろう。
 私は何も天理大学を目の敵にするつもりは全くない。この関西でもUSJ(ユニヴァーサル・スタジオ・ジャパン)における馬鹿まる出しの行為が有名大学の学生らによって引き起こされているからである。もっと言えば、明日にも2020年のオリンピック開催地が決まるというこの時期を前にして、猪瀬東京都知事がニューヨークで全く恥ずかしい発言をし、麻生財務大臣がナチスに絡む不用意な発言を行い、また常に舌禍問題を発する橋下大阪市長が慰安婦問題でアメリカ側に風俗利用を持ちかけるという前代未聞の発言をするなどの、まったく信じがたい出来事ばかりである。また、世界が気にする福島第一原子力発電所における汚染水問題では、まったくの隠蔽だと思われても仕方がないデータの公表の仕方をするなども同様である。
 明日の朝にはオリンピック開催地が決まっているのであろうが、当選すればそれは日本が被った大災害への同情とそれからの復興への努力に向けられたものであろうが、落選すれば、その原因は上に述べたように、日本のトップの政治家が時と場所とその内容をきちんと精査しないで気楽な発言を繰り返す時代感覚のなさと島国感覚まるだしの国情と、そして日本のスポーツ界をむしばむ陰湿な体質に向けられたものと理解すべきであろう。この最後の部分に関して言えば、ダメなのは上層部や指導者だけでなく、それを黙って見過ごす、あるいは何も言うべき内容をもたない若い人たちも同罪だと断言する。
 相変わらず私は学校で講義をする立場にいるが、学生の発する言葉は凄く気になる。今年もある学生に“先生!その話は前回もう聞きましたよ!”と言われてドキッとした。学生は先生を育てるのである。つまりは、あとから生まれた者はなにかを示すことによって先に生まれた者を育てるのである。それが後から生まれた物の義務だと、私はいつも学生には言うことにしている。それでも自分を正すことはいつも難しい。

追記:今朝(9月8日)、アルゼンチンのブエノスアイレスで開かれたIOC総会で、2020年オリンピックの開催地は“TOKYO”と決定した。尽力された方々には心からおめでとうと申し上げたい。しかし、上に書いたように日本のスポーツ界が抱える問題は大きく、その解決にはきっと果てしない努力が求められる。そのような努力が優しく強い新たな日本の建設を可能にするものと思われる。そうなることを祈りたい。
 また、天理大学柔道部の大野主将は、やはり暴力を傍観していただけではなく、自ら暴力をふるっていたことが昨日明らかになった。天理大学は全く馬鹿げた調査をしていたわけである。腹立たしい(9月12日)。

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