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大都会のビル群に囲まれた国民公園、新宿御苑

  • 2017/05/11 16:14

 大型連休のはじめの暑い日、簡単に行けるところとして新宿御苑を選んだ。新宿駅西口からトコトコと歩いて15分、大勢の観光客に交じって1枚目の組写真右上にある新宿門から公園に入った。入ってしまうと広いスペースの中で込み合っていた感覚は消え、ゆったりとした気分になれた。外周3.5キロ、面積58.3ヘクタールの広い公園である。
 その入り口にあった簡単な公園のチラシ(右下)を見て驚いた。この御苑は名前からして宮内庁関係のものかと思っていたが、このチラシには新宿御苑は“環境省 国民公園”と書いてあったのである。Wikipediaに尋ねてみると次のように言う。「国民公園(こくみんこうえん)とは、環境省が管理する公園の一つ。国が設置・管理する公園で、都市公園・自然公園以外のものを指す。旧皇室苑地である皇居外苑・新宿御苑・京都御苑の3箇所が国民公園であり、これと無名戦没者の遺骨が納められている千鳥ヶ淵戦没者墓苑と戦後強制抑留及び引揚死没者慰霊碑苑地を合わせて国民公園等という。」宮内庁が絡んでいたことは正しかったが、元は武家屋敷跡地であったらしい。
 そして、このチラシは次のように言う。「新宿御苑は、徳川家康の家臣、内藤氏の江戸屋敷の一部がそのルーツと言われています。明治に入り、農事試験場を経て、明治39年(1906)に皇室の庭園となり、戦後昭和24年(1949)に国民公園として一般に公開されました。園内には、イギリス風景式庭園、フランス式整形庭園、日本庭園が巧みにデザインされ、明治を代表する近代西洋庭園といわれています。」
 この公園を散策して感じることは、大きな木々が茂り、多彩な形式の庭園に多種類の花が咲く心休まる場であり、広い芝生の空間で大人も子供も走り回ることのできる都会での貴重なスペースであることである。でも、それにもかかわらず多種類の木々や草木、その花などの名前の名札などは、ごくわずかを除いてほとんど付けられておらず、私たちの知りたい欲望を満足させてはくれない。どうしてそんな簡単なことができないのかといつもいわゆる公園などに行くと不思議である。また、広場や木陰で食事をしたり手持無沙汰な家族などの周りには持参したサッカーボールなどが使われないままに置かれていた。よく注意事項の看板などを探して見ると、道具を使った遊びは禁じられている。要するに、ただただ走ることしかできないようになっていて、球技などは一切ご法度である。いま頃になって子供の体力が落ちたなんて言ったって後の祭りである。
 日本ではどうしてこうなってしまうのだろうか。ちょっと脱線だが書いておきたい。確かにあまり広くない公園などで野球をやったりサッカーをやったりすればケガなどが起こりうることはよくわかる。楽しく時に激しくスポーツをすればその延長線上にはケガが起こることは確かだろう。では、そんな危なさを感じなくてよいような広いスペースを、遊びやスポーツをやりたい人たちになぜ提供しようと考えないのだろうか。
 日本は狭くて人口が多いからそれは無理だと誰しも言う。も、私は以前計算したことがある(そのデータを無くしたのは残念だが)。それはひとりの人間が遊ぶ時のスペースの計算である。たとえば、この狭い日本にもなぜか無数と言ってよいほどのゴルフ場がある。そこで一日に何人のゴルファーがプレーしているか、子供が安全に遊べるスペースだと何人にあたるかを計算したことがあるが、驚くべき数値だった。この狭い日本でゴルフ場が開発できるのなら、子供のためのスペースなんてやる気があれば開発できるはずである。いまここでは机上の空論なのでこれ以上は書かないが、なぜとりあえず安全策の一つとして“安全管理人”などをおいて公園を安全に使う方策を考えないのだろうか。海水浴場やプールには置いているような人材を公園に置けばよい。それをボランディアでやれる人は私を含めて沢山いるはずである。子供たちを狭い場所に押し込めておいて、子供の声がうるさいと文句を言うような大人が増えてほしくないのである。もう止めておく。
 以上のような不満はあるが、なかなかの公園である。私はあまり木々や花などのことは詳しくないので、組み写真で皆さんにこの公園の雰囲気を感じてもらえればとだけ思う。その写真を撮るときに心掛けたことは、どっちを見てもビルに囲まれているので、それをあえてすべての組写真に取り込んである。ビルに囲まれているが立派な公園である。
 1枚目の組写真の右下にはチラシの写真を入れてある。拡大していただければ公園の全貌を知ることは可能である。この地図の11時の方向が北であり、8時の方向に見えている鉛筆のようなビルは“NTTドコモ代々木ビル”で原宿あたりからもよく見えるが、携帯電話などの電波塔だと聞いている。この電波塔はすべての組写真に取り込んである。2枚目の組写真はサツキとツツジだろうと思われる。3枚目の組写真の花はホウノキの仲間のタイサンボクの花と蕾で、私は初めて見た。大きくて大変きれいで優雅な感じの花である。4枚目の組写真はフランス式整形庭園にあるプラタナス並木(スズカケノキ)である。5枚目の組写真にはメタセコイアも見えている。
 とにかく、一度訪れて楽しむ価値は大いにあるとお伝えしておきたい。ここまでには全く触れなかったが、この公園には大きな温室があり、多彩な植物の名前や特徴などがはっきりと記されていて教育的価値に優れている。

追記:
 3枚目の写真の花の説明で「ホウノキの仲間のタイサンボクの花」と書いたが、知人から指摘があり、「ホウノキの花」と訂正したい。なお、同公園には別の場所にタイサンボクもあるとされる。

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