エントリー

大根はすごく曲がって育っても、でも美味しいよ。

  • 2018/01/05 20:25

 今年のダイコン栽培は面白かった。試してみたことは、間引きの回数などを減らして畝一つに育てる大根の数をいつもの年と比べておよそ倍くらいにしてみました。もちろんこれは手を抜いたという側面もあるのですが、でもどうなるだろうという興味はありました。

 その結果にはびっくりしました。ひとつは、密集していたにもかかわらず非常によく育ったことと、味にはほとんど影響がなくすごくおいしかったのです。しかも育った大根の数がすごく多いので存分に大根を料理に使うことができました。しかし一番驚いたのは、大根が非常に曲がったことでした。その写真は1枚目の組み写真です。広い畝を作って育てたのですが、どこでも曲がりますが、畝の外側部分のものが曲がり方が大きいように思います。抜いた曲がった大根の写真を2枚目の組み写真に載せてあります。

 大根が曲がる原因については“ダイコン栽培.com”というサイトに良く書かれた文章があります。その原因は土の問題、栄養が過多の場合、そして土寄せが不十分で風などの影響をうけて倒れこんで曲がるということなどがあると説明されている。私たちの場合に考えられることは、葉を含めて育ちすぎと土寄せが不十分で、その結果土から出ている部分が大きくなり、上の部分が不安定になって曲がる原因になった可能性が大と思われます。さらに、それに密集した葉による押す力が加わって曲がることにつながるのであろうか。面白い現象である。

 植物の成長は大変面白い。私はかって大阪・高槻市の官舎に住んでいました。官舎の周りの畑や木や花を植えてあった場所は誰も管理していなかったので私が世話をしていました。春から夏にかけて多くの水仙が芽を出し花を咲かせようと頑張ります。しかし同時にそのまわりの草も元気よく伸びてきます。私は花がよく見えるようにと周りの草を鎌で刈り取って満足していたのですが、刈った後たしか数時間後には楽しみにしていた水仙は全部ばったりと倒れてしまっていました。こんなことを何度か経験しました。友人の生物学者に聞いてみますと、それは当たり前のことで植物は余計なエネルギーを使わないようにして生きているとのことでした。そんなことを知らない私は何度も同じ過ちを繰り返しました。もしもきれいな水仙だけを楽しみたいのなら、大きくなる前からまわりの草をきれいに刈り取っておくことが大事なんですね。

 だから大根も同じ理屈で生きていて、株間を狭くして育てればお互いにエネルギーを依存しあいながら大きくなり、風やなんかの影響で、あるいはお互いの育ちに変化が出て押し合う、あるいは寄り添いあう力関係が違って来れば倒れるなどして大根が曲がって育つことになるんでしょうか。生き物というのは面白い、しかし当たり前の生き方をしているのですね。あたりまえの生き方をしているから、だからやっぱりおいしいのかな? このように狭い株間で育てると曲がるけどすごく沢山のダイコンを同じ面積の畑で育てることができるのはなんともうれしい。すごく勉強になりました。

追記:昨夜、このブログを書き終え次のブログの準備を終えて布団に入って約1時間後の0:54、突然強い地震に起こされてしまった。テレビによれば大和市は最大震度4の仲間に入っていた。その後はなかなか寝付けず悶々としているうちに、書き終えて公開してあるブログに書き加えることがあると気付きそれを考えていたらまた眠れずの連続で朝になってしまった。付け加えておこうと思ったのは次のこと。

 「生き物は一般に寄り添って生きている。植物は「群生」し、動物は「群れ」る。それは基本的には上に書いた原理に基づいているのであろう。でも、それはいつの日か壊れて新しく作り変えられる。それは様々なレベルでの進化・深化というのであろうか。このように長い時間をかけて自然に起こることでは整理整頓されたものから乱雑なものへ変化してゆく。これを先人は『エントロピー増大の法則』と言った。私はかって若い学生さんによく『エントロピー・・・』の話をしたが、今年の年賀状に、そのことを忘れていなくてその話を子供にしたというかっての学生、いまのお母さんからのうれしい便りがあった。私はマラソンを走るが、風の強い日、あるいはみんなに引っ張ってもらいたいと思うときは自然に集団の中か誰かの後ろについて走る。でも、いつしかそのリズムに苛立ったり、あるいは抜け出したいと思うとその集団との関係は崩壊する。やはりここでも生き物のやることは一緒である。それが自然なのであろう。

ページ移動

ユーティリティ

<<<2024年04月>>>

1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

検索

エントリー検索フォーム
キーワード

過去ログ

Feed