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わたしの弱点である「ふくらはぎ」の故障防止策を考える

  • 2013/05/19 15:49
 私は長距離を走り出してから20年程になるが、腰やひざは安定しているが2年に一度はふくらはぎに故障を起こしている。今年も2月に法隆寺ハーフで転倒して肋骨を骨折し、その回復途上にふくらはぎに軽い肉離れ(と思われる)を起こした。軽いといっても、いつものことだが、治りかけて走り出してはまた再発させる悪循環をを繰り返すと結局1か月から2か月と言うかなり長い故障になってしまう。全く悩ましく、本当に嫌になることの繰り返しである。
 どうしたらこれを食い止められるかと長い間考えてきたが、名案は浮かばず、ひょっとしたらキネシオテープを使うことかな、と考えて本まで買って読んではみたが、なかなか本格的に実行するには至らなかった。その最たる理由は、キネシオテープの効用についての説明で、私を納得させる内容は明確には見つからなかったからである。
 そんなとき、4月28日の読売新聞に大阪マラソン関係で面白い記事を発見した。それは、和歌山大学の本山教授を取材して書かれていたもので、キネシオテープと思われるテープを腰や太もも、膝、ふくらはぎ、足首などに貼ってマラソンを走ったランナーの場合、貼らなかったランナーとは筋の破壊が大幅に減少すると書かれていたのである。その記事は、ふくらはぎと膝のお皿の下へ貼ることを強調していたことからその部位への効果が大きいと私には感じられた。しかも、その効用は走行中の筋肉や関節の「ぶれ」を抑えることと保温効果もあるのではと書かれていた。私はこの「ぶれ」抑制という考え方が実に新鮮に聞こえた。なぜなら私のふくらはぎ故障は、寒い時期でなくても起きるからである。
 この説明に特に魅かれた理由は、私の経験による。私はレースにはほとんどの場合ワコールのCW-Xという下半身全体を覆うコンディショニングウェアを着用しており、これまで一度もレース中にふくらはぎ故障を起こしたことがないことが理由である。しかし、レースではなく通常のトレーニングで走る場合にはそのウェアは面倒なこともあって着用しないが、そんな時に限って故障を起こしてしまうのである。さらに、私のふくらはぎはほかの人に比べて大きいことも「ぶれ」が強く私の興味を引いた理由である。
 キネシオテープを貼ることは筋肉のブレ防止につながるとの主張に魅かれた私は、未だ回復が十分でない左ふくらはぎを実験台にしてテーピングの効用を確かめようとした。この左ふくらはぎは治りかけては再発を繰り返している部位で、左だけではなく右ふくらはぎにも同様に貼ることにした。貼り方については、写真のように75ミリ幅テープ1枚を腓腹筋に貼る場合と、その1枚を端5センチを除いて真ん中で切ってアキレス腱から腓腹筋に沿って上にV字型に貼る場合の二つの貼り方を試した。また、V字型に貼る場合には幅40ミリ程度のテープを切らずにそのまま張ることも試みた。
 結果は、いずれの貼り方の場合も右ふくらはぎについては問題はなく、左ふくらはぎについては違和感の感じ方が遅れ、貼らない場合に比べて安心して走れる時間が伸びることは明らかである。しかし問題はある。しばらく走っているとまだ回復途上ということがあるのであろうが、腓骨とヒラメ筋との境(あるいは腓骨筋とヒラメ筋との境)に強い違和感が発生した。あるいは別の時には脛骨とヒラメ筋との境あたりに同様の違和感が発生した。そこで、思い切って右ふくらはぎに貼ってあったテープをはがして左ふくらはぎの違和感のある場所に沿って縦に貼ってみると、直ちに違和感が消失した。このことは、テーピングが筋肉の動きにかなり強い影響を与えていることを示していてすごく興味深い。なお、この違和感消失は、私の場合には、少なくともテープの保温効果ではないといってよいと思われる。
 これは二度同じことを経験したので、ふくらはぎへのテーピングはかなりその位置が微妙で、貼る位置によっては筋肉のブレ防止に差が生じて新たな違和感や肉離れなどの発生がありうると感じている。もちろん、私の実験台が回復途上のふくらはぎであったことも原因であろうが、その全面を均等に貼ることが必要なのかもしれない。あるいは、私の使ったテープが本山教授が使用したテープとは違っているのかもしれない。これは検討課題である。
 そこで私がとった処置は、テープの代わりにふくらはぎ用の「レッグカバー」(「カーフサポーター」あるいはふくらはぎの「スパッツ」?)を履くことであった。メーカーはいくつかあるが、私が買ったのはTIGORAのもので、これを履いて走ってみるとテーピングの不均一を特に気にすることもなく、安心して走ることができた。履かない場合と履いた場合を改めて注意深く感じてみると、履いた場合には明らかにふくらはぎの「ぶれ」を防いでくれているようである。ここ数日、連日のようにレッグカバーを付けて走り続けているが、ふくらはぎの違和感は完全に治癒したと実感している。
 今回の読売新聞の記事は私にとっては非常に貴重で、ランニング中の筋肉の「ぶれ」が故障に大きな意味を持っていると思っていなかった自分を恥じている。そのことを頭に入れてコンディショニングウェアなどの説明書を見ると、そのようなことが書かれており、意識されていたのだと分かる。しかし、それがどの程度に重要であるかは確かなデータをもって語られていないようで(会社のデータだからか?)、その意味でも和歌山大学の本山教授の研究から多くの貴重なデータが出てくることを強く希望している。

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