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私のアサガオ 2

  • 2013/10/07 13:39

 今日はもう10月の7日であるが、ここ2日ばかり少し数が減ったとはいえ我が家のアサガオは相変わらず精力的に咲いている。それを祝ってまた組み写真を1枚と、ちょっと風変わり?な実験をしたのでその写真1組を掲載しておきたい。
 人々は昔から野山の花を切り取り、それを水を入れた花瓶のようなものにさして身近に花を楽しむことを知っている。それを知らぬ人はほとんどいないが、ではつぼみを開かせることがどうしてできるのかはあまり考えたこともないというのがほんとうのところだろう。私自身もそうである。
 ところが今年のいつだったか読売新聞にアサガオの開花についてチラリとあることが書かれていた。それは、花弁の細胞が持っているデンプンが分解されることによる「浸透圧」の変化が細胞の成長(伸長)に偏りを生じ、花弁が開くことになるというのである。実は、丁度その頃私は私が非常勤を務める看護学校で、看護師の卵に自然の法則としての「浸透圧」の大切さを教えていた時だった。
 本当のことを言えば、私たちは学校で多くの法則などを習い、試験があることもあってそれを覚えようとする。しかし、それが自然(私たちの身体の中のことも含めて)においてどのように働いているかを実感することは非常に少なく、学校で勉強したことが実感として私たちに根づくことがない。それは日本の学校教育の最も重大な欠陥のひとつと思われる。私自身が確かに根ずいていないと感じるからこそ自信を持って言える。
 そういう訳で、読売新聞に出たちょっとした一言が凄く私を揺さぶったのである。折しも私のベランダには沢山のアサガオが毎日咲いている。アサガオの花を簡単に室内で咲かせるにはどうしたらよいかを知ろうとネットで検索したところ、新潟大学の和田清俊教授のホームページに行き当たった(http://www.sc.niigata-u.ac.jp/biologyindex/wada/p21/p21-1-1.html )。そこには何と次のように書かれていた。「アサガオのつぼみは、つるが左巻きにらせんを描くのに対して、反対巻きの右巻きにねじれているが、このねじれがほどけるようにして開花する。開花前日のつぼみを切り取って、水にさしておいても、つぼみは正常に開く。このような性質のため、室内で開花の様子を観察することができる。」
 このことから、葉っぱはなくともつぼみだけを水に挿しておくだけで開花するらしい。つまりはすべては水のあるなしということになる。そこで私はつぼみだけを切り取って水に挿し、開花することを確認しようとした。小さな瓶に剣山を置き、そこに水を入れてつぼみだけを挿したのである。ウェブサイトには簡単そうに書いてあったがやってみると意外に難しくて、何回かの失敗の後でうまく開花するようになった。ポイントは、前日の夕方の時間のようにまだ成長していると思われる段階でつぼみを切り出さず、あとは開花するだけという夜遅くに鋭利なカッターナイフでつぼみを切り出して剣山に挿すようにすることであった。そうすることで高い確率で開花を見ることができるようになった。その写真が2枚目の組写真である。
 左上の開花前のつぼみが開花したのが右上の花で、左上から2枚目のつぼみが開花したのが下の3枚の写真である。確かにこの段階に至っては水だけが問題らしい。こうして咲かせた花は卓上で楽しむことができてなかなか粋な感じでもある。
 実はここからが問題で、この開花が確かにデンプンが分解されて浸透圧に変化が生じ、それが開花につながっていると誰が証明しているかである。それがはっきりして初めてよく知られている浸透圧という科学的法則性が開花と言う現象の中に生きているということができるのである。先ほど挙げた和田教授に直接聞いてみたが、直接的なデータがあるかどうかは分からないとのことであった。
 こんな話に私がこだわっているには理由がある。私は特に決まっているわけではないが、ここ数年大阪大学の理学部に入学してくる学生を「理」(ことわり)の世界に招待する講義を依頼されることが多い。そこで今年はこれまでとは趣向を変え、これまでの看護学校での講義の経験を生かし、「浸透圧」という比較的よく知られた原理がいかに自然の中に息づいているかを幅広く調べて1回生に紹介し、好奇心を掻き立てたいと考えている。「浸透圧」なんて赤血球を水に入れれば破裂する、そのときに働いているくらいにしか思っていない学生に、その「浸透圧」を突き詰めてゆけば「生命(いのち)とは何か?」という重大な問題に突き当たると話したいのである。
 それにしてもアサガオの開花に本当に浸透圧が関係しているかを調べなければならない。和田教授は私にそのことを研究していると思われる研究者の名前をあげてくださった。これから直接問い合わせてそれについての実験データを聞かせてもらうつもりである。楽しみである。
 

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