エントリー

阪神・藤浪投手 まさかの逆転満塁弾被弾 監督・ベンチはなにしてる?!

  • 2014/04/09 11:59

 昨夜の甲子園球場のゲームには驚いた。7回二死ランナーなしから5点を取られての大逆転を喫したのである。こんなことは実はしょっちゅうあって、藤浪投手の今季最初の登板の中日戦でもまったく同様のことがあった。今日のいろいろなメディアから聞こえる監督のコメントは、「ここを乗り越えなければ完投できる投手にはなれない、ベンチの責任やけどね」のようなものが大半で、かって秋山投手が投げたゲームでも同じようなコメントを当時の真弓監督から聞いたような気がする。写真はブランコに満塁弾を喫して呆然とする藤浪投手である(この写真はネットに出されたスポニチアネックスの写真を使わせていただいた)。
 監督を含めたベンチのスタッフたちは何のために居るんだろうね?特に真弓監督になってからは上のようなコメントが多すぎて困るが、それで立派なエースが育ってきたのかと言いたい。はっきり言えば、今監督をやるような人間は和田監督をはじめとして一応選手としてはそれなりの実績を上げてきた人たちだが、藤浪投手にしても秋山投手にしてもこれからの若者で、それなりの実績を積み上げながら育ってゆく人材である。それがどうだ、私から見れば壊してゆくようなことをやっているように見えて仕方がない。
 ベンチというのは、特にゲームの勝敗を大きく支配する投手ということに関して言えば、実に慎重にその調子をイニング毎に、あるいはアウトカウントごとに、もっと言えば一球一球の投球ごとに絶え間なく見極め続けなければならないはずである。ブランコに逆転満塁本塁打を喫する前の二人のバッターに対する投球では、私のような者でもテレビ画面で見ていれば簡単に分かるほど投球がバラバラで、いわゆる“抜けている”投球がしばしば見られるようになっており、明らかに握力もなくなりつつあり“限界”に至った、もはや交代しかありえない状況になっていたと判断することができた。
 それでもベンチは動こうとせず、ストライクを取らなければいけない初球をブランコに完ぺきに捕らえられてバックスクリーンに逆転本塁打を打ち込まれてしまった。万事休すであった。
 これまでの藤浪登板の際のベンチの言い分は、要するに藤浪投手が一人前の投手になるために7回や8回は投げ切らなければだめだと決めつけているように感じられる。藤浪投手は2年目の今年、投球の際にかなりインステップする癖を直すという大きな冒険を行っている。その修正を行ってからそれほど時間がたっていない今年の4月初めの最初の登板では、よく7回まで投げたと思われるが、なぜ6点を奪われるまで投球させたのかが私にはわからない。それは今回の7回に満塁本塁打を打たれるまで投げさせたことに対する私のベンチに対する不信と同じ感情を持っている。
 ベンチは何を若い投手に望んでいるのだろうか?もちろん、先発完投の投手がたくさんいれば、投手陣のやりくりは優しく、それが優勝に結びつきやすいとはだれにでもわかっている。そんなことばかり言い続けてまともな投手を育てられていないのは、逆に言えば阪神だけじゃないのか。エース、エースと言われる能見投手ですら全然十分ではない。それは努力不足ではなくて、コーチによる指導の問題や、今回ここで議論しているような無理な起用法が彼の精神的な成長を阻んでいる可能性があるのである。
 今年になってMLBでの先発投手の出来を評価する言葉に“Quality Start”(クォリティスタート、優良投手)が出てきた。それはヤンキースの黒田投手によって語られ始めた言葉で、先発投手は6回以上投げて自責点3以内なら合格点という意味である(なお、7回に自責点4を取られるとそうは言えないという)。昨日の藤浪の場合でも、7回にきちんとベンチが判断して交代させておけば優れた先発投手として評価される。しかし、前回も今回もベンチの策のない采配の結果で不名誉な敗戦投手の烙印を押されるようなことを繰り返していると、育つべき若い優れた投手が自信を無くしてベンチの犠牲になってしまう可能性が高い。秋山投手などはもうその気配がする。
 なぜ日本のプロ野球ではプロに入ったばかりの若い投手に先発完投投手への成長がいつまでも叫ばれ続けてしまうのだろうか。だから、高校野球のひとつの大会で400球も500球も投げることを要求し、それが美談として報道されたりするのであろう。龍谷大平安高のように多くの投手の継投で優勝を勝ち取ったチームが出たことは評価すべきだと思うが、日本での野球の頂点にあるプロ野球の世界がいつまでも旧態依然であり続ければ、良い選手は時代に合った施策を敏速に動かしてくるMLBに次々と移ってしまい、レッドソックスの田澤投手のように高校から直接MLBに動くことが多発するであろう。もう少し賢い指導者やGMが日本に育たないのかと残念である。阪神などキャッチャーが9人もいるなんてチームは優勝できるなんてことはあり得ないだろう。

ページ移動

ユーティリティ

<<<2024年04月>>>

1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

検索

エントリー検索フォーム
キーワード

過去ログ

Feed