エントリー

温暖化対策の全面見直しと合衆国トランプ新政権

  • 2017/05/01 16:31

 私は今年1月末に「世界の大国米国に、理解しがたく信じがたい大統領が登場!」(http://www.unique-runner.com/blog/index.php/view/259 )との短いブログを書き、その最後に“これ以上なにも言いたくない!”と書いた。その気持ちは何も変わってはおらず、どんどん文句を言いたいことが増えてくる。シリアへのトマホークによる爆撃、そして北朝鮮との挑発ごっこなど危ない火遊びの連続である。北朝鮮はミサイルを発射実験をしたり核実験をしたりすればそれは挑発と受け取られ、アメリカをはじめとする国連安全保障理事会の面々は何をしてもそうは言われることはない。彼らは第二次世界大戦の戦勝国であり、いま敢えてやらないのはすでに十分に核実験もミサイル発射実験もやってしまっているからである。日本はアメリカの傘の下にいてロケット発射実験をしても何も言われないが、きっとアメリカは日本の技術を警戒しているはずである。まあ、いまはその話ではない。
 ここに一枚の縦長の新聞記事を掲載した。お読みいただければ幸いである。それは4月28日の読売新聞朝刊の記事で、ワシントン支局の記者・三井誠氏によるものである。冒頭に次のように言う「『オバマ政権が自分を盗聴した』など、証拠もなく独自の主張を展開するトランプ氏の姿勢は、科学の分野でも際立っている。そうした科学軽視の典型例が地球温暖化への態度だ。トランプ氏は『でっち上げ』と主張するなど一貫して疑問視し、3月28日には、オバマ前大統領が進めた温暖化対策を全面的に見直す大統領令に署名した。政権内には『温暖化研究は税金の無駄(マルバニー行政管理予算局長)という声もある」。今回の記事は、アメリカの研究者が研究結果の基づくことなく政策を進めるトランプ氏の姿勢に猛反発し始めたことを伝えるものである。そのことについて一言言いたくなったのである。
 このようなトランプ氏の主張は大統領選挙中から聞こえてはいたが、上の大統領令への署名によって明るみに出たのである。それにしても予算教書の骨格では、米環境保護局(EPA)の来年度予算を31%削減し、職員の2割にあたる約3200人を削減するとし、また世界最大規模とみられる米国立衛生研究所(NIH)の予算も18%減となる恐れがあり、医学分野につながる基礎研究に重大な影響が及ぶ恐れがある。このような新政権の姿勢は他の多くの基礎研究の分野にも多大な影響をもたらすと想像される。
 しかし、考えてみればアメリカは数々の分野で自国第一主義をちらつかせ、それを実行していたことは明白である。私の記憶にあるその最たるものは、京都議定書である。京都議定書とは、1997年12月に京都市の国立京都国際会館で開かれた第3回気候変動枠組条約締約国会議(地球温暖化防止京都会議、COP3)で同月11日に採択された、気候変動枠組条約に関する議定書である(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%AC%E9%83%BD%E8%AD%B0%E5%AE%9A%E6%9B%B8 )。アメリカはこの議定書に合意しながら、アメリカ合衆国政府は産業界の強い反対に会い批准することを放棄したのである。世界一の経済大国であるアメリカがこの問題を解決しようとせずに誰が解決できるのか!また、国連分担金の支払いもアメリカはたびたび拒否、あるいは拒否をちらつかせる態度を見せ続けている。結局、もともとアメリカは“アメリカ ファースト”なのであって、それに特に変化があったわけではないのである。ただトランプ氏があまりにビジネスライクに振る舞い、メディアとの、つまりはアメリカ国民との、そして世界中の人々との会話を真面目にしないために(SNSだけだ!)より極端に見えているだけなのであろう。もちろん、だからトランプ氏はそれでいいんだとは全く思わないし、それは困る!と言いたい。もしトランプ政権が今回の報道通りに地球温暖化問題を放置するのであれば、それは地球の将来を見殺しにする犯罪につながると言うべきであろう。
 私の本棚には「アメリカの戦争」(山崎雅弘著、学習研究社、2004)がある。これ以上戦争をやらないでもらいたい。私がこのように書くと、この書き物はあらゆる手段で探知され、記録され、私の素性はどこかで明らかにされているのであろう。最近発表された日本に対する13編のスノーデン文書(http://www.excite.co.jp/News/society_clm/20170426/TokyoSports_678465.html 、XKEYSCORE)はそのようなことを強く思わせるものであり、アメリカ戦艦の自衛隊艦船による護衛や安倍政権が強硬に推し進める「共謀罪法案」や憲法改正論議などを考えると世界の中の日本もある一点に向かって突き進んでいるように思う。嫌な世の中になったものだ。奇遇であることを願いたい。

ページ移動

ユーティリティ

<<<2024年04月>>>

1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

検索

エントリー検索フォーム
キーワード

過去ログ

Feed