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極寒の平昌で闘うアスリートに、厳しい寒中でも花開く美しい蝋梅の花を贈ろう(1)

  • 2018/02/20 17:30

 極寒の韓国・平昌(PyeongChang)で開かれている冬季オリンピックは白熱しつつ終盤に向かっている。この大会は様々な意味でにぎやかである。その最たることは、つい一か月前までは考えられなかった北朝鮮の参加であり、しかもアイスホッケーで韓国との合同チームが結成されたことである。これには韓国内でも相当の反対があるにもかかわらず強行されたことで後味の悪さが否めない。さらには北朝鮮の芸術団や美女応援団の訪韓などゲームが始まる前から喧噪著しい大会であった。
 しかも、屋外の会場では気温が低く風も吹き荒れ、テレビ放送との関係からか夜間にジャンプ競技などが行われなど、きわめて厳しい条件下でのゲームが繰り広げられた。そのような様々な問題にもかかわらず、ジャンプ競技とりわけ女子のジャンプ競技には前回のソチ五輪で予想外のメダルなしに終わった高梨沙羅選手に大きな期待がかけられ、また切り札のフィギュアの羽生選手の大きな怪我で連覇が危ぶまれ、またスピードスケートの小平選手や高木美帆選手らへの大きな期待がかけられるなどいつものように話題沸騰であった。
 とにかくオリンピックに興味を持つ日本人が一番メダルを取ってほしいと願っていた選手はやはり高梨選手だったのは間違いないであろう。あれだけ練習もし、女子ジャンプ競技の世界を2010年頃からけん引し続けてきたことは誰しも知るところだったからである。その高梨選手は厳しい条件の中見事銅メダルを獲得した。全く説明を必要としないであろう、それが1枚目の写真である(写真はテレビ画面から。これ以降の写真はすべて読売新聞のものである)。高梨選手の活躍と相前後してメダルラッシュが始まった(2枚目の写真)。モーグル男子の伏兵であった原選手、またそれぞれ有力選手であったスケートボードハーフパイプの平野選手、またノルディック複合の渡部暁斗選手などが相次いでメダリストとなった。
 そうこうする内に韓国入りしていたフィギュアスケートの羽生選手や宇野選手らの活躍が始まった。誰しもが驚いたのは2か月間も氷の上での練習ができなかった羽生選手の圧倒的なパフォーマンスであった。その結果、66年ぶりと言われる連覇を達成し、銀メダルには若い宇野選手が輝き層の厚さを見せつけた。それが3枚目の写真である。
 4枚目の写真は、絶対の力を誇ると言われて期待されていたスピードスケート女子の小平選手と高木選手の活躍である。高木選手は3000m、1500m、1000目で活躍し(団体追い抜きパシュートはこれから)、小平選手は1000mと500mに焦点を合わせてきた。詳しい説明は全く必要ないと思うが、高木選手は銀と銅を、小平選手は金と銅をそれぞれ獲得した。
 これらスピードスケートのレースの中で特筆すべきことは、500mで三連覇を狙っていた韓国の氷帝と言われていた李相花(イ・サンファ)とそれを阻止して優勝した小平選手との温かい友情のシーンが自然な動きとして見られたことであった。それは写真でもお分かりになるであろうからあえて説明はしない。しかし、それ以上に私がうれしかったのは、レースを終わった直後の小平選手が、彼女の活躍に騒然としていた観客席に向かって指を唇に当てて“静かに”との合図を二度三度と送ったことであった。まだ2組・4人のレースが残っており、その騒ぎがレースに影響するのを気遣ったのであろう。我が国の高校生を含めたアスリートにも是非見ておいてほしいシーンであった。

 5枚目には、そのような美しい、相手を尊敬する心の持ち主たちに、そして世界から集まったアスリートたちに、ほのぼのとした、半透明で厚めの黄色い花びらの花を咲かせる蝋梅(ろうばい、大和市・宇都宮記念公園)の写真を贈りたい。これからも国境を越えての素晴らしいアスリートの交流を見せていただけるのを楽しみにしている。なぜなら、それこそが5大陸のリングを象徴とするオリンピックが求める本筋であるはずだからである。

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