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[簡易復元] なでしこJAPAN、サッカー女子Wカップ優勝の決定的瞬間

  • 2011/09/15 13:09

 今回の優勝の決定的瞬間とはいったいどの瞬間であっただろうか。すべてのゲームにそれがあるのはもちろんであるが、どうしてもそれを上げるとすれば、やはり世界ランク1位でこれまで一度も勝ったことのないアメリカとの優勝戦で起こったことだろうと思う。
 前半のアメリカの波状攻撃を何とかしのいだものの69分、快足のモーガンにカウンターで1点を失い、残り時間が少なくなった81分に宮間がゴールへの嗅覚に反応してゴール前へ、そこへ永里、丸山と渡ったボールがこぼれたところを相手ディフェンスより一瞬速くゴール左隅に蹴りこんで同点とした。それが1枚目の写真で、ネットに出されているのを使わせていただいた。
 さらに、1-1の延長戦にもつれ込んだ決勝戦の後半104分、これまで徹底的にマークして自由にヘディングさえさせなかったワンバックに、ゴール前から一歩引かれて鮮やかにシュートを決められてしまった。もはやこれまでかと思った私とは違い、なでしこのメンバーは諦めることなく執拗に攻撃をつづけ、あと数分で幕切れという117分にコーナーキックのチャンスを得た。そしてあの劇的な、後ろから思い切って相手ディフェンスの前に飛び込んだ澤の同点ゴールが生まれたのである。
 しかし残念なことに、我々はその澤のシュートの決定的瞬間の写真はほとんど見ることができなかったのである。5枚目の読売新聞の写真は、蹴られたボールがすでにゴール方向に飛んでいる写真である。私はやむなくネット上に出ている何百枚という写真をしらみつぶしに見てやっと2枚目の写真のような、望遠レンズによる写真ではないが撮られた方向の良い写真を見つけ出した。この撮影場所は、コーナーキックを蹴った宮間から数メートルのところのようで、最善の場所である。拡大した3枚目の写真を見ると、そのシャッターを切った時点は、まさに相手ディフェンスの足とその足の上に被せる様に伸ばした澤の右足に当たった瞬間のように見える。
 その写真から何百分の一秒後の、少し左側からの同様の写真が4枚目の写真である。澤の足が完全にディフェンスの足の上にかぶさっていたことがよくわかる写真である。そして、5枚目の写真(読売新聞)にみられるはじかれたボールがそのディフェンスの後ろにいたワンバック(この写真には写っていない)の腕に当たって、ゴールを固めていたキーパーを含めて3人のディフェンスの間を縫ってゴールに突き刺さったのである。
 この同点弾は、もう負けることはないと思い込んでいたアメリカチームに決定的なダメージを与え、もはやPK合戦をまともに戦う集中力は残されていなかったようである。そのあたりのことは次に書こう。

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