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[簡易復元] なでしこJAPAN、サッカー女子Wカップ優勝の立役者と面白いデータ

  • 2011/09/16 08:32

 澤の見事な同点弾の後に書かなければならないのは、もちろんキーパー海堀の自信に満ちたセービングだった。予選リーグでの決断の遅さからくる出足の悪さは決勝トーナメントに入ってからは一掃され、見事な守りを見せた。
 私が気に入ったのはゴールキックになったボールの彼女の取り扱い方である。そのボールをキックする場合と、投げてボールをバックスに直接渡してそれをキープする場合をうまく使い分けていたことである。ゴールキックになったボールは味方が得点される危険を防いで苦労して得たボールのはずであるから、キープして攻撃につなげるというのが私には基本のように思えるからである。
 実はそのように扱うチームはベンゲル監督時代の名古屋グランパスや、今は広島くらいしか頭に浮かばず、意外にJリーグには少ないからである。決勝戦のPK戦における海堀の活躍についてはもはやいうことはない。読売新聞に出た写真をここに掲載させていただく。
 さて、もう一人の立役者は佐々木監督であろう。途中交代させた選手がことごとく活躍するという選手交代の醍醐味を味わったと思われる。選手の掌握術もみごとのようで、巧みに選手とコミュニケーションをとっているらしい。読売新聞に掲載された監督の素顔の記事を2枚目の写真として掲載する。
 今回失われたブログの復元のためにいろいろ資料を見ていたところ良くまとめられた面白いデータがWebsiteに出ていることを見つけた(http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3979b.html )。それは国際サッカー連盟(FIFA)や日本の協会が出しているデータを整理したもののようで、決勝戦で戦った日本とアメリカの選手の身長のグラフと、それにドイツを含めた3か国の選手の身長の比較、さらに日本とドイツ選手のBMIデータのグラフで、3枚目と4枚目の写真である。
 それによると、アメリカ選手は日本選手に比べて10センチほど背が高く、ドイツ選手は余りか選手よりさらに5センチほど高い。この身長差は、各国の成人女子の平均身長が日本で158.5cm(ちょっと高いように思うが)、アメリカで162.2cm、ドイツで166.9cmであることとパラレルであるという。
 また、痩せているか太っているかを示すBMI値をみると、背の低い日本選手はドイツ選手より高い値の部分もあるが、おしなべてそれほどの違いはなく、がっちりとした体格であるのが分かる。
 今回のドイツ大会でのなでしこジャパンの優勝の最大の力は、身長差などの、特にゴール前などでの不利を、俊敏な動きと正確なパスワークで克服したことにあるのであろう。マラソンなどの長距離走では明らかに身体の大きな選手は不利である。その理由は消費エネルギーが大きいためで、エネルギー産生が必ずしも消費エネルギーとパラレルしないことと、身体の大きさゆえに筋損傷も大きいのではと考えられる。私などマラソンを走った時に後半に抜かれてしまうのは、決まって若い小柄な女性にである。今回のドイツ大会では、そのことを見事に実行し、小回りの利く俊敏な動きと正確なパス回しで相手を追いつめ、相手が疲れた後半に決定的なダメージを与えるというゲームプランが見事に遂行された。今後このパターンの徹底とともに、重要な局面や困った時に投入できる背の高い選手とともに1人で局面を切り開ける快足選手の育成に力を注いでもらいたいものである。

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