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2012年03月15日の記事は以下のとおりです。

第1回京都マラソン、楽しめる大会にもう一段の努力を望む

  • 2012/03/15 11:04

 栄えある「京都シティハーフマラソン」の後継レースとしての京都マラソンが、やっと開催されたというのが私の感慨である。京都シティハーフマラソンは1994年に初めて開催され、2009年3月8日の第16回大会を最後に休止状態になっていた。その理由は京都市の財政状態で、聞くところによれば真偽のほどはともかく、このハーフマラソンに対しても6000万円ほどの赤字補填をせざるを得ず、それが重荷になって休止に追い込まれたとのことである。このレースは古都京都を走るということもあり、全国的に大変人気で制限時間2時間にも関わらず申し込みが殺到していた。それなら参加人数を増やし参加費を倍増すれば赤字にはならないのにと、何度も参加してきた私としては歯ぎしりするほど残念であった。
 そんなこともあって新しい「京都マラソン」を楽しみにしていた私ではあったが、抽選発表がなんと1か月も遅れる醜態を事務局が演じた上に私は落選で無念の一言であった。それでも気を取り直し、仲間三人の応援と写真撮影に友人ともども出かけた。天気はよく適度な低温で風も弱く、絶好のマラソン日和になった。今回のコースは京都市の西南部の西京極から北部の宝ヶ池方面までの広い範囲にわたっていたが、比較的私に土地勘のある北山通りから宝ヶ池方面に撮影ポイントを絞ることにした。京都駅から地下鉄で私は北山駅で下車してよく子供たちのサッカーを応援した宝ヶ池球技場から急坂を上った23キロ地点、友人は松ヶ崎で下車してランナーが何度も折り返す北山通りで応援と撮影を行った。
 1枚目の写真は、そのコース周辺の雰囲気を表したもので、左下は北山通りから宝ヶ池球技場方面を見た構図で、左側に給水場所が映っており、右側に伝統の五山送り火の「妙」の字が見える。右下には水を入れたコップを並べるボランティアの姿、そして左上はその道を北に上ったところの過酷な急坂、それを登ってトンネルを過ぎ、宝ヶ池を折り返してほっとして坂を下っているランナーたちの姿がある。左下には宝ヶ池球技場がわずかに見える。右上は、ランナーが来る前に、トンネルを通って戻る地点での撮影の準備をするプロのカメラマンたちである。右の真ん中の写真は、18キロ地点で撮影した鴨川べりを走るランナーが遠くに見え、全体として穏やかな天気の中のレースを印象付けている。
 2枚目、3枚目は仲間の写真で、これを見ていると北山通りのコースの狭さが大変気になるところである。4枚目は狐坂と言われる急坂をほぼ上りきった地点での別の仲間の写真であるが、左上にはここにやってきたトップ集団の写真で、大変厳しい表情が見える。この地点は高低差があるため写真には大変向いた場所ではあったが、苦しくて足元を見て走ってくるランナーが多く、仲間の発見も難しいうえに相手もこちらを見つけにくい難点があることを実感した。
 最後の写真は、特に何かがあるというよりはただのトピックスである。上の2枚はこの地点が30.5キロの第五関門であることを示している。スタート後4時間23分に閉鎖される数分前の様子で、時計の下にある幅の広い白い布をその時間になればランナーの通路に広げてランナーをストップするのである。私もその瞬間を見ていたが、この時間にやってくるランナーの多くは疲れ果てて自主的にリタイアするものも多く、トラブルは全くなく穏やかなものだったのにはちょっと拍子抜けした。それ以外の写真は、芸人の「女と男」やTBSアナウンサーなどのタレントの写真で、それ以外に所々に今回の写真を撮ったカメラマンが隠れている。
 今回のレースには14,000人を超えるランナーが参加し、完走率は95.4%と高く、応援も活発で問題がないように思われるが、私が見聞きしたことなどを含めて問題点を提起しておきたい。そのひとつは京都市という狭いところでフルマラソンのコースを設定するという難しさのためか至る所に問題があったようである。折り返しが多いことや、なんと8キロ地点辺りで大勢のランナーが数分間全く動かないストップ状態になり、その説明が全くなく、あるいは緊急車両通行のためだとかの誤った情報が伝えられたことがあったらしい。なんだか福島原発事故の時に起こった状況と似ていて、また“想定外”だったのかと思うと嫌な感じである。
 私が見ていた範囲でも、例えば北山通りなどの走路は極めて狭く、混雑した状態では危険でさえあり、ランナーには強いストレスがかかる。また鴨川の河川敷は舗装されていなかったようで、雨が降っていたら恐ろしいと伝えるランナーもいた。また、特にスタート地点ではトイレの数が少なかったとのことで、これはランナーにとってもっと困る問題であろう。さらに応援する側にも難しい問題がある。特に北山通り周辺はランナーが折り返しなどで長時間にわたって道路の横断が禁止されているため、地下鉄の出入り口が交差点の四方にない場合には市民や応援者が道路の反対側に移動できないことがある。これに関しては、京都には景観の関係か歩道橋が少ないのがその原因のひとつになっているらしい。しかしこれもコース設定などで何とかなるはずで改善されるべきと思っている。
 runnetのウェブサイトに寄せられているランナーからの評価によれば満足度は75.1%と決して高くはなく、多くの苦情が寄せられているのは残念である。でも、その中には、この狭い京都で行われるのだからその辺りのことはやむを得ないと考えるべきで、もっと楽しんで走ればよいのではとの意見もある。それも一理あるが、ランナーには、楽しんで走る人と自分へのチャレンジで時計を睨んで走る者も多く、その両方を満足させる実行力が主催者には課せられていると考えるべきである。
 それが出来ないのであれば、東京マラソンに誘発された大都市フルマラソンの誘惑に負けずに、広々とした道路を悠々と走らせてもらえるなど、立派にそして極めて良好に運営されていた、私が大好きだったかっての「京都シティハーフマラソン」に戻せばよいのである。赤字をなくす手段などいくらでもあるのだから。

追記:書き忘れたことがあります。記録についてです。最近はフルマラソンでは普通に行われている「ランナーを追跡するシステム」が動いていないことには驚きました。また、ゴール後に出されるランナーの記録の速報性も悪く、普通にできていることもできていないのはまったく残念です!特に、走っているランナーの、例えば5キロごとの通過タイムは応援する側にとっては必須のデータです。それがなければ大勢のランナーの中から目的のランナーを探し出すことは不可能なんですが、そんなことも分からないで大会を運営しているのかと思うと、だんだん怒りが増してきます。しっかりやっていただきたい!!!

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