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2011年09月の記事は以下のとおりです。

[簡易復元] 「なでしこは負けない」-ロンドン五輪出場権獲得おめでとう!

  • 2011/09/16 11:12

 この9月1日から中国・済南で行われたロンドン五輪女子サッカーの出場権がかかった最終予選は、はからずもなでしこジャパンの底力を示すことになった。7月17日のW杯ドイツ大会でアメリカとの死闘を制して優勝し、凱旋してからの嵐のような祝賀行事と報道合戦、そしてその間に行われたなでしこリーグの再開など選手は休むことを許されなかった。 この9月1日から中国・済南で行われたロンドン五輪女子サッカーの出場権がかかった最終予選は、はからずもなでしこジャパンの底力を示すことになった。7月17日のW杯ドイツ大会でアメリカとの死闘を制して優勝し、凱旋してからの嵐のような祝賀行事と報道合戦、そしてその間に行われたなでしこリーグの再開など選手は休むことを許されなかった。
 そしてわずか1週間弱の合宿の後中国に乗り込んだのである。この最終予選は6か国総当たりで、わずか11日間に5ゲームを戦う超過密スケジュールであった。W杯優勝後まともな身体つくりのトレーニングもできないままにゲームに突入したなでしこジャパンの動きは鈍く、脚も動かないのは当然であったであろう。それでも必死の努力で以下のような成績を上げた。

 日本vsタイ 3-0
 日本vs韓国 2-1
 日本vsオーストラリア 1-0
 日本vs北朝鮮 1-1
 日本vs中国 1‐0

 タイ戦を除けばいずれも筋少差のゲームで、北朝鮮戦では苦労して得た1点を守りきれず、ロスタイムに追いつかれ引き分けてしまった。それでも、「負けないなでしこ」を実現し、見事にロンドン五輪出場権を獲得したのである。それはきっと、ドイツW杯での優勝でつかんだ自信と世界一のチームとして何としても負けられないプライドに支えられたのであろうか。しばし休養してもらいたいし、こんな過酷なスケジュールの大会を許してはならないと、サッカー協会に文句のひとつも言いたい気分である。
 写真は9月9日の読売新聞の記事の写真である。

[簡易復元]とは:
 サーバーのトラブルから2009年10月後半から2011年9月初めまでの2年間のブログおよそ130編が失われた。写真は手元にあるもののテキストはバックアップがないため、ここしばらくのもの以外は正確な復元は難しい。特に社会・政治の問題はその時々の状況に合わせて書かれているので復元は不可能である。それ以外のものは余り古くないものに限り、せめて短いテキストと写真だけででも復元したいと熱望している。このような復元が[簡易復元]である。

[簡易復元] なでしこJAPAN、サッカー女子Wカップ優勝の立役者と面白いデータ

  • 2011/09/16 08:32

 澤の見事な同点弾の後に書かなければならないのは、もちろんキーパー海堀の自信に満ちたセービングだった。予選リーグでの決断の遅さからくる出足の悪さは決勝トーナメントに入ってからは一掃され、見事な守りを見せた。
 私が気に入ったのはゴールキックになったボールの彼女の取り扱い方である。そのボールをキックする場合と、投げてボールをバックスに直接渡してそれをキープする場合をうまく使い分けていたことである。ゴールキックになったボールは味方が得点される危険を防いで苦労して得たボールのはずであるから、キープして攻撃につなげるというのが私には基本のように思えるからである。
 実はそのように扱うチームはベンゲル監督時代の名古屋グランパスや、今は広島くらいしか頭に浮かばず、意外にJリーグには少ないからである。決勝戦のPK戦における海堀の活躍についてはもはやいうことはない。読売新聞に出た写真をここに掲載させていただく。
 さて、もう一人の立役者は佐々木監督であろう。途中交代させた選手がことごとく活躍するという選手交代の醍醐味を味わったと思われる。選手の掌握術もみごとのようで、巧みに選手とコミュニケーションをとっているらしい。読売新聞に掲載された監督の素顔の記事を2枚目の写真として掲載する。
 今回失われたブログの復元のためにいろいろ資料を見ていたところ良くまとめられた面白いデータがWebsiteに出ていることを見つけた(http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3979b.html )。それは国際サッカー連盟(FIFA)や日本の協会が出しているデータを整理したもののようで、決勝戦で戦った日本とアメリカの選手の身長のグラフと、それにドイツを含めた3か国の選手の身長の比較、さらに日本とドイツ選手のBMIデータのグラフで、3枚目と4枚目の写真である。
 それによると、アメリカ選手は日本選手に比べて10センチほど背が高く、ドイツ選手は余りか選手よりさらに5センチほど高い。この身長差は、各国の成人女子の平均身長が日本で158.5cm(ちょっと高いように思うが)、アメリカで162.2cm、ドイツで166.9cmであることとパラレルであるという。
 また、痩せているか太っているかを示すBMI値をみると、背の低い日本選手はドイツ選手より高い値の部分もあるが、おしなべてそれほどの違いはなく、がっちりとした体格であるのが分かる。
 今回のドイツ大会でのなでしこジャパンの優勝の最大の力は、身長差などの、特にゴール前などでの不利を、俊敏な動きと正確なパスワークで克服したことにあるのであろう。マラソンなどの長距離走では明らかに身体の大きな選手は不利である。その理由は消費エネルギーが大きいためで、エネルギー産生が必ずしも消費エネルギーとパラレルしないことと、身体の大きさゆえに筋損傷も大きいのではと考えられる。私などマラソンを走った時に後半に抜かれてしまうのは、決まって若い小柄な女性にである。今回のドイツ大会では、そのことを見事に実行し、小回りの利く俊敏な動きと正確なパス回しで相手を追いつめ、相手が疲れた後半に決定的なダメージを与えるというゲームプランが見事に遂行された。今後このパターンの徹底とともに、重要な局面や困った時に投入できる背の高い選手とともに1人で局面を切り開ける快足選手の育成に力を注いでもらいたいものである。

[簡易復元] なでしこJAPAN、サッカー女子Wカップ優勝の決定的瞬間

  • 2011/09/15 13:09

 今回の優勝の決定的瞬間とはいったいどの瞬間であっただろうか。すべてのゲームにそれがあるのはもちろんであるが、どうしてもそれを上げるとすれば、やはり世界ランク1位でこれまで一度も勝ったことのないアメリカとの優勝戦で起こったことだろうと思う。
 前半のアメリカの波状攻撃を何とかしのいだものの69分、快足のモーガンにカウンターで1点を失い、残り時間が少なくなった81分に宮間がゴールへの嗅覚に反応してゴール前へ、そこへ永里、丸山と渡ったボールがこぼれたところを相手ディフェンスより一瞬速くゴール左隅に蹴りこんで同点とした。それが1枚目の写真で、ネットに出されているのを使わせていただいた。
 さらに、1-1の延長戦にもつれ込んだ決勝戦の後半104分、これまで徹底的にマークして自由にヘディングさえさせなかったワンバックに、ゴール前から一歩引かれて鮮やかにシュートを決められてしまった。もはやこれまでかと思った私とは違い、なでしこのメンバーは諦めることなく執拗に攻撃をつづけ、あと数分で幕切れという117分にコーナーキックのチャンスを得た。そしてあの劇的な、後ろから思い切って相手ディフェンスの前に飛び込んだ澤の同点ゴールが生まれたのである。
 しかし残念なことに、我々はその澤のシュートの決定的瞬間の写真はほとんど見ることができなかったのである。5枚目の読売新聞の写真は、蹴られたボールがすでにゴール方向に飛んでいる写真である。私はやむなくネット上に出ている何百枚という写真をしらみつぶしに見てやっと2枚目の写真のような、望遠レンズによる写真ではないが撮られた方向の良い写真を見つけ出した。この撮影場所は、コーナーキックを蹴った宮間から数メートルのところのようで、最善の場所である。拡大した3枚目の写真を見ると、そのシャッターを切った時点は、まさに相手ディフェンスの足とその足の上に被せる様に伸ばした澤の右足に当たった瞬間のように見える。
 その写真から何百分の一秒後の、少し左側からの同様の写真が4枚目の写真である。澤の足が完全にディフェンスの足の上にかぶさっていたことがよくわかる写真である。そして、5枚目の写真(読売新聞)にみられるはじかれたボールがそのディフェンスの後ろにいたワンバック(この写真には写っていない)の腕に当たって、ゴールを固めていたキーパーを含めて3人のディフェンスの間を縫ってゴールに突き刺さったのである。
 この同点弾は、もう負けることはないと思い込んでいたアメリカチームに決定的なダメージを与え、もはやPK合戦をまともに戦う集中力は残されていなかったようである。そのあたりのことは次に書こう。

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